コスパ村のあんぱんです。
総務経験の4社全てでバチバチに2割以上の固定費削減をしてきました。
この記事は
「固定コストを削減したいけど」
「何からやればよいのかわからず困っている」
ある程度大きい会社の管理者や経営者向けの記事です。
結論、「コストではなくコスパで考えて」「無くせる範囲で無くす。無理なら相見積」です。
以下詳述します。
まず削減コストの対象ですが、
一般的に削減できそうな固定コストを並べてみると
1.商品の材料費
2.人件費
3.事務所賃料
4.営業車両代
5.事務所火災保険料
6.営業車両保険料
7.電気代
8.電話代
9.郵便・郵送代
10.備品
といったところです。
固定コストなので
将来のコスパの為の新規IT投資などは別に考えています。
まず、誰かが「コスト削減」と言いだしたら、その人たちが本当にやりたい事はコスト削減ではなくコスパ向上であるという事をあなたの中だけで強く意識して下さい。
「コスト削減さえできれば何でも良い」という結果なんて、株主から社長から営業本部長や管理本部長からアルバイトの方まで、誰一人1mmたりとも望んでいませんので、ここをまず自分の頭にぶち込んでやる必要があります。
コスト削減という言葉には、「同等効果(できれば効果増)は維持しながらの」という言葉が当然の前提として頭についています。
それぞれの項目についての詳細は今後の別記事に譲ることとして、この記事では大元の考え方を解説することにしましょう。
まず自社の支払い実績を見てみて下さい。
取引先会社別もしくはサービス別に、額の大きい所から優先的に順番に狙いを定めていきます。
ほとんどの会社では1.2.3は額が大きいのではないでしょうか。
店舗がある業態の店舗についても同じです。
さて、「無くせる範囲で無くす。無理なら相見積」でした。
「無くす」はシンプルです。
「ただ真剣に本当に要るのか考えるだけ。」です。
要するに、ただ無駄であったという事に気づけたのであれば、この「無くす」という方法が一番簡単でわかりやすいコスト削減でしょう。
ただ、やることはシンプルでも、着眼点を絞るのは慣れないとなかなか難しいです。
さらには「コストカッター」を本能レベルで警戒している営業側に「コスパ向上」という本旨を理解してもらって協力してもらう地道で忍耐の要る調整は結構な高等技術だったりします。
まずは、結構ありがちな、「みんな要らないと思ってたけど面倒なので誰も言ってないだけ」な事を無くすだけでもインパクトはあると思います。
「この材料は同じ品質でもっと安い代替物があるのに」
「もっと必要な部署に人員をあげれば良いのに」
「事務所面積、もっと小さくて良くない?」
「こんなに営業車両あるけど、稼働率みたら誰も乗ってないじゃん」
など、営業側もどうでも良いと思っている事項については調整しやすいです。
問題は、無くせない場合の「相見積」です。
世の採用や評価の基準はそうなっていないので市場価値は一ミリたりとも変わらないのですが、この技術をもっているかどうかで、その人がコスパの高い管理者かどうかに決定的な差をもたらします。
正しい相見積の取り方と使い方をすれば、
「高売上低コスト状態を最低限のメンテナンスで維持できる運用を作り」会社の運用コスパを上げる事ができます。
分野によって多少違いますが、基本的な手順は以下です。
例えば、定めた狙いが「いつも利用している佐川急便さんの荷物配送料」だとしましょう。
1.まず、いつもお世話になっている佐川さんに見捨てられないよう、
「私はこの厳しい時代に何を言ってるんだと反論したのですが、どうしても上から
当社も厳しいのでコストを削減するよう言われてしまい、私は裏切るつもりは全く無
いのですがサラリーマンなので申し訳ありません」と説明をきちんとした上で
2.佐川急便を利用した全部署の全ての直近一年分の佐川急便の請求書を取得する
(全部で勝負するのは、ボリュームディスカウントを効かせる為に量が重要だから)
3.上の1請求書を見て、その請求書の内容と個別の金額を一つ一つをデータベースにする
(佐川さんにCSVファイルをもらうなどコスパ良い方法を取ってください)
例
「東京本社の請求書」「2020/1/20」「東京から大阪までの」「100サイズが」いくら」
を一行として、その調子で全拠点分の全レコードを一つのエクセルにまとめて行きます。
一万行になったとしても気にしません。
4.競合他社(ヤマト運輸さんや日本郵便さん)数社の営業に金額を隠してそのエクセルを
投げ、それぞれ一行一行に金額を入れさせる。
(金額を隠すのは、佐川さんへの最低限の礼儀と、佐川さんを意識せず限界ギリギリの
良い数字を出して頂くのを促すため)
5.仮にヤマト運輸が一番安かった場合であれば、
最後は「こんな金額が出てきてしまったのですが」と言って、同じ金額で合わせる事が できるかを、付き合いの長い佐川さんにお聞きして差し上げる。
(これにより佐川急便への最低限の義理は果たした事になる)
無理であれば乗り換える。
いろいろなパターンがあるが、例えば、他の地域は対応できるが佐川急便がある特定地域方面だけ弱いなどの事情があれば、他の地域は佐川急便に改定価格で依頼し、その地域だけはヤマト運輸に依頼する。
ざっとこんなもんでございます。
熟練した総務マンにとっては話になりませんが、自信がなくて手を付けられず時間だけが過ぎてしまうようであれば、初めはコンサル会社を使うのも良いと思います。
コンサル会社への支払いは、コンサルフィー2年分の予測できる削減コストが算出できた段階で一括まとめて行うのが一般的なイメージです。
ですので、2年以上停滞しそうな見込であればコスパは良いと思います。
コンサル会社については、
そのうち調べて掲載しようと思います。